飛び込め!リゾートバイト!

リゾートバイト。それは誰もが憧れ、でもどこか踏み出せない知る人ぞ知るバイト。そんなリゾートバイトにスキル無し!コミュ力普通!意欲MAX!で飛び込んだ平凡フリーターの体験記。

リゾートバイト体験記92日目~98日目

92日目。5時起床。

B君と筋トレをする。私の抱えていた不安をB君に話してみた。

彼も少し心配そうにしていたが、何より私の心配をしてくれた。

 

93日目。6時45分起床。

 

94日目。9時起床。

ホテルにあるプールでも泳いでみた。

 

95日目。10時起床。

 

96日目。5時15分起床。

私の不安は的中することとなってしまった。

 

FさんとHさんは私の知らぬところで夜密会していたらしい。

Hさんからいろいろな相談は受けてきたが、そのたびに不倫がよくないことだと止めてきた。

 

夜間に会うことを知っていたら、私は絶対に止めただろう。だが既に事後だった。

Hさんは悪いことだと認識していたが、どこか楽になりたそうでもあった。

 

欲と倫理、情で揺れるHさんを見て、少し不憫にも思えた私は当初声をかけることができなかった。

 

ようやくお互いに落ち着いてきて、私は彼を静かに責めた。

Hさんはうなずいていたが、済んでしまったことは仕方なさそうにしていた。

 

彼は…彼はその行為を改めるつもりはなかった。むしろ一度済ましてしまって腹をくくったようにも、開き直ったようにも見えた。私には止めようがなかった。

 

事実、FさんとHさんとの関係を知っているのは私だけ、家族は知る由もない。

私が家族に言うはずもなく、また私が言いたくないこともHさんはわかっていた。

 

他人のこういった事情で私が悩むのは筋が違うのだが、酷い罪悪感と無力感に襲われた。

 

これからしばらく、Hさんから言い訳染みた、弁明のような相談を受け続けることとなる。この相談はもしかしたら、彼のちっぽけな倫理観を慰撫するためにあったのかもしれない。

 

97日目。10時起床。

 

98日目。6時40分起床。

観光船に乗って島巡りをする。