飛び込め!リゾートバイト!

リゾートバイト。それは誰もが憧れ、でもどこか踏み出せない知る人ぞ知るバイト。そんなリゾートバイトにスキル無し!コミュ力普通!意欲MAX!で飛び込んだ平凡フリーターの体験記。

リゾートバイト体験記121日目

121日目。5時15分起床。

勤務はこの日が最後だった。

 

業務のことはよく覚えていない。結局流れ作業で、滞りなくこなしたからか。

この日の業務終了後が忙しかった。

 

段ボール箱につめこんだ荷物をコンビニで発送し、お世話になった近くのパン屋に挨拶にいく。これだけで時間が過ぎてしまった。

 

21時頃に、非常に険悪な仲だったOさんとポケモンで遊ぶ。

Oさんは私を訝しんだ。あれだけ仲が悪かったのに、なぜ今更?と。

 

帰るとなれば、すべてを許せるというか、彼女にも彼女なりの事情があったとか。いろんな思いはあった。彼女以上に問題のある人に触れ、彼女がまともに見えたかもしれない。

 

私は私なりのお詫びをしたかった。もちろん彼女に対し、直接的に傷つけるような発言はしていないが。それでも私の心の中で彼女を排し、少なからず態度に表れていたのは事実だ。

 

自分の過ちを恥じ、後悔したからこそ彼女ともう一度話してみようと思ったのだ。

仕事をしていないときの彼女は普通で、そこらへんにいる女の子だった。

 

もしかしたら仕事中もそんな部分があったのかもしれない。彼女の強い責任感が強い上司像を作り上げ、それを私が変に注目していただけなのだろう。

 

短い間で、かつ単純に世話になったとも世話をしたともいえない清濁のある関係。

私は改めて、彼女にお礼を言った。

 

Oさんとの短いようで長い交流を終え、私はHさんの元へ向かった。

今更なにかが解決するとは思っていない。だが、ここで一つ区切りをつけなきゃいけない。

 

私はHさんに、Fさんと今後どうするつもりなのか聞いた。

Fさんが離れたら、この関係は終わる。私はそう期待していた。

 

だが、彼からの返事は私が安心できるようなものではなかった。

もちろん離れてしまえば、心も距離も離れるからそのうち疎遠にはなるだろう。だがHさんはそれをどこかで拒み、まだ可能性があるような含みのある返事をした。

 

私はこの日、Hさんを諦めた。決して、このリゾートバイト体験から持ち帰ることはしないでおこうと心に決めた。

 

心からの感謝を告げて、FさんとHさんの関係について一言も言わず、私は眠りについた。