リゾートバイト体験記23日目
5時起床。
朝が早い。山へ登るからこの時間から準備だ。
6時10分のボートに乗り、そのまま山へと進む。
途中までは市街地だから、そこらの街歩きと変わらない。
山へのルートも車道が整備されているので、遠いとはいえ歩きにくいということもない。
3時間ほどかけて、目的である滝への入り口を見つけた。
実はここ、数年前の水害で遊歩道が崩れたり、土砂崩れがあったりで道がない。
立ち入りを禁止しているかどうかはわからないが、警備員のおじちゃんには危ないからおすすめはしないね~程度に軽く止められた。
それでも行きたかった。極力安全なルートを選び、進んでいく。
はっきりとした道がない以上、よく観察して通れるところ通れないところを判別して進むしかなかった。
結局私の出した決断は流れてくる水をさかのぼること。沢を登ったのだ。
専門家ではないからわからないが、おそらく悪手なのだと思う。
苔むした岩は非常に滑りやすく、専用の装備を持たない私は滑落の危険が常に伴う。
高所もあるし、水も深く、流れが速いところもあった。もう人の手など触れられていない自然のままだ。
だがそれがいい。それが心地よかった。リスクを冒して進むのもどこか気持ちが良かった。ハイになりつつ、どんどん先に進んでいく。
2時間ほど進んだところで、お目当ての滝を発見した。非常に澄んだ、きれいな滝つぼと、独特の形をした滝だ。ここまでの苦労はふきとんだ。
時間も厳しくなってきたので、ひとしきり見て満足したあと帰路につく。
ここに至る道で、帰りは使えない道もあったため心配だったが別に安全な道を見つけることができた。もしまた行くことがあったらこの道を使おう。
戻って山頂付近についたら、一人の外国人がバス停の前で立ち往生していた。
観光地だから外国人は多いのだが、こういった立ち止まってる外国人の多くは日本のシステムを理解できなくて困っていることが多い。
目的を果たして達成感に包まれていた私は、普段なら話しかけないだろうに話しかけることにした。
別に彼は困っているわけでもなんでもなかった。
というより日本語堪能だった。
そのまま一緒に観光地巡りをし、なんだかんだで仲良くなる。